使えない部下と、育てられない上司の本当の問題
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- 4月8日
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4月になると、フレッシュな新社会人が街を歩いている姿を見かけます。そんな光景を見るたびに、「自分はフレッシュな気持ちを失っていないか」とハッとさせられ、少し気持ちがリセットされるような感覚になります。
一方で、いわゆる「五月病」と呼ばれる、会社に対する違和感が出てくる時期も近づいています。最近では、入社間もない時期に退職代行を使って辞める方もごく少数ながら見受けられますが、多くの方は懸命に頑張っているのだと思います。だからこそ、そんな皆さんを応援したいですね。
この時期の新人の方は、先輩に業務を教わる中で混乱している方もいれば、「思ったより簡単かも」と感じている方もいるでしょう。
一方で、先輩の立場からすると、「何度教えても覚えてくれない」「ミスが減らない」と嘆いている人も多いのではないでしょうか。
その原因は様々あると思いますが、少しの工夫で改善される可能性のある“コツ”がありますので、今回はそれを共有したいと思います。
ズバリ、「業務手順を教えるよりも、背景や目的、なぜこの業務をやる必要があるのかを伝えること」が改善の鍵になるかもしれません。
仕事も、タスクを小出しにする先輩よりも、プロジェクトの意義や現在の状況に至る経緯、この業務の全体像、完了までの期間や関わるメンバーなどを伝えてくれる先輩のほうが、新人も自律的に動けるようになると感じます。
「新人だから、まずは細かく指示を出して慣れさせよう」という考えがあるかもしれませんが、それは若い人を少し見くびっている気もします。彼らは高等教育を受けた立派な大人です。新人として戦力になれていないという思い込みは、言葉の端々態度にでてしまいますし、意外と相手は察するものです。
要は、“仲間になれていない”という感覚――この疎外感が、思った以上に大きな影響を与えていると私は考えています。
人間はタスクを「こなす」だけでは、その意味や意義を感じづらく、モチベーションが下がり、「期限までにゆっくりやればいいや」となってしまう傾向があるのではないでしょうか。
交渉と同じで、部下の方から「このタスクは無理かもしれません」とギブアップのサインを出してもらえるような関係性を築いた方が、実は良いのかもしれません。そのときに上司が全力で支援し、問題を解決すれば、信頼関係も強まり、部下の限界値も把握できます。
プロジェクトの目的や意義、自分のポジションや役割が理解できると、「自分もチームの一員として貢献できる」と感じられるようになります。
能動的に動けない人の多くは、「情報が得られていない」か、「情報が与えられていない」だけのことが多いのです。当たり前のことですが、それが実は重要です。
そして多くの人は、仲間のために貢献したいという思いを持っているはずです。
これが、いわゆる“上司ガチャ”と呼ばれるものなのかもしれません。
こうした視点を持った上司と仕事ができれば、1年、3年と時間が経つにつれて、実力や物事の捉え方が大きく成長していくでしょう。
新人の皆さんも、もし断片的なタスク指示だけをしてくる上司に当たったら、それを逆手にとってみてください。
「この仕事の背景や目的、なぜ自分がやる必要があるのか」を自分から尋ねてから取り組んでみるのです。
もし「忙しくて教える時間なんてない」と一刀両断されてしまったら、思い切って食事や飲みに誘ってみるのも一つの手です。
「時間は作るもの」。もちろん、上司と飲みに行くのが苦手な方には参考にならないかもしれませんが(笑)。
愚痴を言うのは簡単で、一時的にはスカッとしますが、体には毒になることもあります。すべては「自分の行動が引き起こしていることだ」と認識することが、長い目で見て自分のためになると思います。
最終的には国も会社も、自分を守ってはくれませんから生き抜く力をつけたいものです。
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